二世家元の業績
二世家元は本名を実といい、一世家元の厳しい教育を受けました。
家元襲名時には三十四歳の壮年期にありましたが、折しも、世情は第二次大戦直前の時期であり、間もなく開戦となりました。
華道活動を中断して戦災難民の救済に全力を傾けました。終戦後は東京都中央生活相談所の主幹として、戦災で苦しむ都民のために尽くしたのです。
日本古流一流のみの隆盛にこだわらず、広く華道界全般の繁栄のために活動のスケールを広げていきました。
昭和二十五年、東京都茶華道連盟の結成に参画したことを皮切りに、昭和三十三年、超流派的な親睦団体の「いけばな協会」の創設や、健康保険組合の設立に力を尽くし、
さらに、昭和四十一年発足の全国的な華道作家組織「日本いけばな芸術協会」の設立にも多大な貢献をしました。
岡本太郎氏と会話する二世家元
これらの業績が評価され、昭和五十五年に勳五等瑞宝章を授与されました。
続く
高松宮殿下、家元、小原豊雲理事長、細川護貞会長、麻生和子顧問